オーストラリアは移民の文化。
既に移民がコーヒー文化を持ち込んだため、あとからやって来たコーヒーチェーンはなかなか浸透しなかった。
それ以外にも
・家賃や人件費が高く(日米の2倍とも言われている)、採算が合わない
・エスプレッソが主流なので、スタバの味は馴染まない。
・個人経営のカフェが腕を競っており、コーヒー好きは既にファンのカフェを持っている
などなど。恐らくどれも間違っていないと思います。
でも、それだけではなんとなく釈然としない。
何店舗か回っているうちに、なんか他にも理由がありそうな気がしてました。
そう思ったのは、何軒目かに行ったカフェで目撃したこと。
それはイコール自分も体験したことでふと時計を目にしたときのこと。
オーダーしている人が少ないのに、なんだか待ち時間が長いこと。
店員とお客がしゃべっているので、暇潰しなのか、友達なのかわからないが、待っている時間を気にしていない雰囲気だった。
自分もその時は同じ気持ちでした。
旅行者だし、次のあてもなく、のんびりしたもの。急いでないのでゆっくりやってください、と。美味しく飲めるんなら、時間が掛かっても問題ないですよ、と(心の中でつぶやいた)。
そうだ、多分これなんだ。
アメリカ、日本をはじめ、世界中の都市はみんな忙しく、美味しいコーヒーを飲みたいが、コーヒーが出来上がるまでの10分、20分付き合っている暇は無いんだ。
スターバックスですら待ち時間を長く考えてしまう、東京の時間の流れ。
たった2分程度ですら待てない自分がたまにいる。
東京で個人経営の店で美味しいコーヒーが出てくるまで待てるだろうか?
いや、多分待てないだろうな。世界中の主要都市のビジネスマンも待てないだろうな。
だけど、オーストラリアで、ここメルボルンでは、少なくとも待てる。
ビジネスマンも学生も、みんな「待っている」。
だから、個人経営で美味しいコーヒーを出すのに時間が掛かることも許されれば、お客の方も美味しいコーヒーを飲めることを期待して、待たされることも苦にならないんだ。
待ち行列の中にいた時にこの回答が浮かび上がりました。
雨が降ってきたため、みな屋根の下に避難?通路はまばらになっていた。
本当にそのような判断したことが間違っているかいないか、是非確かめにメルボルンに飛んで自分で確認してみてください(結局誘っている!)。
記事をうのみにせず、自分で足を運ぶことで見えてくる。
なんて嬉しいことだろう、と自己満足に浸りながら、コーヒーカップを受け取った。
心と手に持つコーヒーがほんのり熱かったのを憶えている。