伝統を見る?
何のこと?
と思われるかもしれませんが、自分にとっては思わぬ出会いでとっても感動してしまいました。
というのも、シドニーのロックスに行って、どうしても見ておきたかったものが、
思わず目の前でばったりと出会ってしまったんだから。
感動しないわけにはいきません。
といっても何のことかわからないので、少し説明しますと。
シドニーのロックスは、名前の通り、ロックスと言われるくらいですので、岩を指します。
岩を石切り場から運んで町の城壁にしたりするのは日本の江戸時代はもちろん、世界のあちこちにありますが、シドニーにもあります。
そんなシドニーのロックスですが、石畳の上にたくさんのお店や建物が作られたようですが、お店の倉庫がなんと、地下にあるんです。
地下に造ったのは、レストランに出す食材をお店の裏や2階に作るよりも、地下に置いて、そこから厨房に運ぶ方が便利だったから、ということらしいですが、その伝統が今も続いていて、当時のまま地下の倉庫を使っているレストランもあるそうです。
そんな伝統を「どうしてもみたい!」という想いに駆られて早2年!
メルボルンでも無意識のうちに石畳や舗装された道路の1Fぎりぎりを見ながら(日本では単にしたを見て歩いているだけですけど!(^^)!)歩いたその時。
よりによって、フリンダース駅の目の前、フリンダースストリートを挟んだ向いの
ヤングアンドジャクソンというお店の目の前をサザンクロス駅方面に向かって歩いているときでした。
目が一瞬、釘づけになった瞬間。ほんの1秒、これを見逃したら、感動の1ページがちぎられていた瞬間!
シドニーで探していた、おんなじアレがあった!
地下に向って斜めになった階段の下に男性がいます。
前日に飲み干したのか、ビールサーバーか何かを外に運び出しているところでした。
朝の9時前。ちょうど朝のラッシュアワーと重なり、まわりはせかせかと速足で歩いていたので、自分も一緒になってせかせか歩いていたところです。
一瞬立ち止まり、はしごの上に控えていた作業員の方に聞いてみました。
「写真を撮ってもいいですか?」
「ご自由に!」
忙しいそうだったので、1枚を撮ってさっさと次(朝のコーヒーを買い)に行く。その合間の10秒足らず。ああ、なんといい出会いがあったんだろう。
メルボルンのこんなど真ん中に、シドニーのロックスと同じ歴史があったなんて、どこのガイドブックにも書いてません(そりゃそうです、観光するスポットじゃないですからね)。
驚きはもう1回ありました。
今度はコーヒーを買って、宿に戻る帰り道。
もちろん来たときと同じ道です。
フリンダースストリートの歩道に沿って、ずらりと並ぶアルコールが入っていた容器の数々。
レストランにはこんなにたくさんの容器が所狭しと詰め込まれていたんですね。
もう地下への扉は閉ざされていました。
ですが、メルボルンのシティーのど真ん中にも地下倉庫があることがわかりました。
シドニー同様、メルボルンのレストランでも伝統が守られ続けていたんですね。
更に余談ですが、このレストラン、前夜はある集まりで、ここで飲んでいたんですよね!驚いたでしょ!自分でも驚きましたけど!(^^)!
自分への最高のお土産話です。
今も思い出しただけで、一人ニンマリとパソコンの画面に向かっています。
記事:2014年10月13日