サザンクロス駅。
来た電車に乗った。
外観がさわやかな白を基調にしたスカイブルーのストライプのデザインだったので、きっと中もさわやかなんだろうと思っていたら、ちょっと拍子抜けしてしまった。
日本のJRのローカル線とあまり変わらない(といっては失礼ですが)。華やかさはほぼゼロ。
その代り、生活感を十分感じることができます。
この電車は観光客がたくさん乗ってきて、地図を広げる光景に出くわすことはなく、ただただ日常の一コマ。
通勤・通学客で占領された朝夕のラッシュの電車となにも変わらない(と思う)。
だからこそ、それがいいんだよね。オーストラリアの生活の一面が見れて。
注意事項満載のステッカー。
シートに足を掛けるなとか、禁煙だとか、日本では当たり前のようなことも。
乗った車両の位置が悪かったのか、最後尾。
車掌室の扉の周りには落書きがたくさん。
落とすのにお金が掛かるのか、書かれたばかりなのかは知らないけど、ちょっとしたカルチャーショック。
でも、意外とこんなところからストリートカルチャーが生まれるのだろうか?
(それについては後ほど)
ところで、普段旅行に加え、通勤や国内出張に慣れている自分にとって、どうしても納得できないことがあった。
この電車に乗れば、目的の駅である、リッチモンド駅に行けると駅員さんが言ってたけど。
ホームに入ってきた方向、東西南北、これから向かおうとしている場所はどう考えても電車の向きが反対なんですね。
サザンクロス駅で方向を変えて、逆方向に戻るような雰囲気もない(運転手と車掌が入れ替わる、そのような社内アナウンスがある、とか、注意を怠らないようにしてましたが)。
専業主婦なのか、子育てが終わってフリーなのか、それとも独身でここまで来たのか、土曜の昼間だというのに、淑女3人組みが同じ車両に乗り込んできたので、躊躇せずに改めて質問してみました。
私「すいません、この電車、リッチモンドという駅には行きますか?」
婦人「ええ、もちろん、行きますよ」
私「向きは逆ではないですよね」
婦人「この向きで間違ってないです。すぐに着きますよ(というような回答だったと思う)」
そうこうしているうちに、扉は閉まり、電車は動き出した。
間違っていたので「降ります」、なんて言うような時間はすでに無かったけど。
ご婦人たちは自分たちのおしゃべりを再開。
他の人も席に座ってゆっくりしている。
落ち着かない自分は、荷物を置き、デジカメをしまい、やっとガイドブックを手に取る余裕ができる。
ようやくメルボルンシティーの中心地地図のページを開いた瞬間、今まで疑問だった電車が逆方向に行く理由はあっけなく解決してしまいました。
電車は山手線のような環状線をぐるっと3/4ほど走る。
(といっても山手線のように29駅はなく、全部で5駅しかありません)
サザンクロス駅を出ると、フラッグスタッフ駅、メルボルンセントラル駅、パーラメント駅を経由したあと(周回すると、次はフリンダース駅に戻り、その次はまたサザンクロス駅で1周するが、そのルートはいかずに)郊外に向う線路に移ったと思ったら、1駅目、そこがリッチモンド駅だったのです。
時間にして、約10分。
パーラメント駅まではずっと地下を走ってましたが(横須賀線が品川ー錦糸町間が地下にもぐっているような感じですね)、地上に出てから景色は大きく変わってました。
「だだっ広いなあ!」
と思わず口について出てしまうほど(今でも覚えています)
ほどなく到着した、リッチモンド駅は、これから向かおうとしているMCG(メルボルンクリケットグラウンド)の最寄駅ですが、これといった商業施設が1つも見あたらない。
土曜日だったためほとんどのビルがクローズしてましたが(多分飲食店はたくさんあったと思いましたが)、それ以外は皆無。
シティーからこれほど近いのに、駅の回りになのに、これほど閑散としているとは!
広い土地所以かな。
ただし、駅員はいました。それは救いでした。
(それとも、翌日にメルボルンマラソンという一大イベントが控えているから、たまたまいたのか、今となっては知る由もありません)
サザンクロス駅で載った車両は最後尾。
一方リッチモンド駅の改札の出入り口は車両の最前部。
まるまる1編成は結構長いんんだよね。山手線と同じくらいだったかな。大きな時間のロスをしてしまいました。
このような細やかな案内図って、オーストラリアには無かったな。
些細なことに気が付く日本人のコメントでした!
記事:2014 年10月11日