パースの近郊の都市、フリーマントル。
フリーマントルについては超お奨めの街でもあり、いつか街の魅力については書きたいと思いますが、今回は電車の話題です。
(晴れていればインド洋に沈む綺麗な夕日が見ることができます)
といっても、乗って楽しいトランスパースの話ではありません。
世にも恐ろしい、開かずの踏切、の話です。
時間にして夕方6時くらいでしょうか。
夕闇が近づき、ネオンが目立ち始めると同時に、人の姿が見えなくなり始めた、フリーマントル郊外。
ちょうどファミリーで旅行中だったこの時間は、夕食を探しにさまよっていました。
海が近いこともあり、シーフードを食べられるかも!と期待を膨らませて歩き回ること10分(子連れなので、10分は店探しにしては長いんです!)
なかなか「安くて美味しそう」な店が見つからず、もうちょっと離れたところまで探そうか。と話しながら歩いていると、踏切前に到達。
ちょうど踏切を渡る直前に遮断機はないけど警報というかかんかんなりだしたので、間もなく電車がくるのかな?でも、このあたりで電車はこの日見かけたことが無かったなあ。
などと暫く電車が来ることを待ちましたが、一向に電車が来る気配を感じない。
「なんかいやだな」
と思っていたけど、危険は冒してはいけないので(子連れだから)、待つことにしました。
ようやく現れたのは、鈍行電車ではなく、鈍行の貨物列車。
納得。昼間見かけることもないし、駅も近くにないし。だから気にも留めなかったんだ。
じゃあ、列車が過ぎるまで待ちましょう。と普通なりますが、これが日本人の感覚だと、「1分以内に電車が通り過ぎるのを待つ」
です。
ところがここはオーストラリア。
物資を遠くまで大量に運ぶためなのか、列車の運転手が少ないからなのかわかりませんが、とにかく列車の車両が長いんです。
何両か暫く通り過ぎた時に、なかなか後方の車両が見えないことに気が付きました。
「あ、先頭の車両から数えておけば良かった!」
ああ、長い。それも凄い遅い列車。
いったい何分待つんだろう。
早く夕食を食べに行って、ホテルに戻りたいんだけど。
とまあ、少々焦りましたが、ようやくフィナーレの最後尾が見えてきてホッとしました。永遠に渡れないなんてことはありませんが、いやあ、待ったねえ。
これ、フリーマントルでの話ですので、まだ車両は短いのかもしれません。
郊外にでると、「鉱山の産出物を運ぶ」「農産物を運ぶ」超長い列車が走っているそうで、下手をすると踏切を渡るのに30分以上待たされるそうです。
そうなると、待つ以外やることはありません。
おおらかな心が育つのはこんなところで「何をしようと急いでも、無理なものは無理」と、身体でオーストラリアの人達は覚えていくんじゃないのかな?
1度は経験してみたい、「開かずの踏切」でした。
記事:2007年8月