昨日3月4日に、オーストラリアからとんでもないニュースが飛び込んできました。
コアラ686頭「間引き」=地方政府が極秘に―豪 (時事通信) - Yahoo!ニュース
テレビのニュースやワイドショーでもやっていたので、ニュースを聞いた人は多かったと思います。
オーストラリア南東部の、ビクトリア州州政府が2013年から行っていたとのこと。
可哀そう、なんとかならないのか、と言う声の前に、そもそもコアラは他の州では絶滅しかかって、どうやって保護するのか声が上がっている中での殺処分。
考えられません。
コアラにもいくつもの種類があり、野生として他の地域では生活できないのかもしれません。
それでも、全世界の動物園に移送する、オーストラリア国内の他の州や保護施設に引き取ってもらう、ケアワーカー(オーストラリアでは、病気になったり、交通事故でけがしたりした野生動物を保護して育てる、ボランティアがたくさん存在する)に一時的に世話を依頼するなど、方法はいくつかあったと思います。
要は知恵次第でしょう。
そんな中で、最大の問題は、なぜ殺処分を「極秘に」行なったのか。
本当にわかりません。
今回舞台となった、ビクトリア州のメルボルンで、増えすぎたと言われていたケープオトウェイとはどんなところでしょうか?
そもそも広大な大地ですので、とても数時間で回れるようなところではありません。
実は2011年に、オトウェイに行ったことがありました。
1つは、オトウェイのツリートップウオーク。
読んで字のごとく、ツリー(木)の上を歩く、場所。
オーストラリアの木は、場所により数十メートルの高さまで成長します。
その広大さ、自然環境の凄さを高いところから見れるように開発したのがツリートップウオークです。
これだけ木々が大きくなるということは、それだけ雨が降り、大地が潤っているってことですよね。大地もシダ類がたくさん生い茂ってます。
そんな土地柄ですから、ユーカリの木もたくさん生えていることでしょう。
他の動物たちも生息していることでしょう。
では、なぜコアラがたくさん生息しているのか。
今度はツリートップウオークがある山の中から海沿いに下ります。
有名な観光コースにもなっている、「グレートオーシャンロード」。
そのポイントに行く途中に、ビクトリア州第二の都市ジーロンから車で約1時間のところにケネットリバーという小さい村があります。
ここでは何がポイントかというと、野生のコアラに遭遇する確率がとても高いことで有名です。
じゃあ、本当に出会えるかというと、出会えました。
高い所に引っ付いているので、望遠で撮ってます。
動物園で目にする濃いグレーとは違い、毛並みは茶色に近い。
それに、一回り大きいです。ところ変わればコアラも変わる。
駐車場入り口からは人工的にユーカリの木を植えているのか、密集していてコアラがたくさん生息しているようです。
こんな光景が海から山に向って続いています。
もともとユーカリの木がたくさん生えているからコアラが密集しているのかというと、昔が違ったようです。
人間がどんどん山の中にも入っているので、森林伐採もあるでしょうし、2011年に山の中へレンタカーを走らせていた時も道路の拡張工事中でした。
また、ガイドブックを見ると、ケネットリバーも、もともとはメルボルンの南フレンチ島というところで増えすぎたコアラを移住させ、その後外敵もいないことから急増したと書いています。
つまり、元はというと、人間が増え、開発に手が入り、わがままから始まったことにより起こったことだと思います。
オトウェイ、グレートオーシャンロード、ケネットリバーについては後日改めて書くつもりです。
悲しいニュースはもうこれ以上起きませんように。。。
撮影:2011年8月