オーストラリアの道路事情は、日本と同じ左側通行ですが、もとをただすとイギリスが左側通行から始まっています。
イギリスの流刑地としてオーストラリアの近代の開拓史が始まったといっても過言ではないので、交通はイギリス仕様なわけです。
その仕様の1つは、レンタカーで運転していると経験できます。
ラウンドアバウトです。
日本なら交差点で信号か、信号が無くても道路標識で事故がおこらないよう運転者が注意して回避するようにいますが、オーストラリアの住宅地やアウトバックに行くとラウンドアバウトが一般的です。
ラウンドアバウトは、円形交差点の一種で、通常3本以上の道路を円形のスペースを介して接続したもの、と定義されています。
ようは、交差点に入ろうとしても、100%左に向って円形に沿って回らなければなりません。
交差点で簡単に右折できる場所でも、ラウンドアバウトだとぐるっと円を回るため、遠回りのような気がしますね。
また、ラウンドアバウトのルールとして、右から来るクルマが最優先になります。
クルマが途切れなければ延々と待つことに。
といっても、オーストラリアですから、日本のようにひっきりなしにクルマが繋がっていることはなく、ちょっと待っていれば過ぎに途切れてしまいます。
シティでもラウンドアバウトがたくさん存在します。
でも・・・ そんなに便利なものかな。
実際にレンタカーとかクルマで運転してみればよくわかります。
まず、住宅地にあるラウンドアバウトです。
クルマの往来が無いと、味気ない。
せっかく来たのに。緊張感が全然ない。
ラウンドアバウトにすぐに入れてしまう。
仕方ないので、1周してから写真を取るため一旦クルマから降り、またクルマに乗って目的地に向かいました。
(後日、別の住宅地のラウンドアバウトで、クルマが全く来ないので、2周もしてしまいました。もちろん、前後のクルマがまったくないことを確認してからですよ)
写真で雰囲気がわかるかと思いますが、土地が広いからこのようにラウンドアバウトの仕組みが成り立つんだなあ。と思います。
日本だとスペースの確保が難しいので、どうしても交差点になってしまいますよね。
2014年に、長野県飯田市でラウンドアバウトの試験が始まったようですが、こちらもスペースがあり(その上通行量も都会より全然少ない)、地方都市での交差点の代わりにはなるかと思います。
そもそもラウンドアバウトのメリットってなんなんでしょうか?
交差点のように正面衝突事故が起きにくい、信号機がないので電気代がかからない、といくつか挙げることができますね。
デメリットは、スペースが無ければ作れない、交差点を一旦作ってしまったら、ラウンドアバウトのために土地を確保するのが難しくなることでしょうか。
都市にあるラウンドアバウトも経験しました。
ケアンズのシティからクルマで10分も外れた幹線道路でもラウンドアバウトがありましたが、こちらは通行量が非常に多く、ラウンドアバウトになかなか入れません。
クルマの量が多いとラウンドアバウトも複線化し、2車線あると入るのにもう大変。
一旦内側の車線に入ってしまうと、なかなか出れないという恐怖感がありますが、でも大丈夫。オーストラリアでは意外と無理をしなくても隣の車線に入ることができますので、ラウンドアバウトに入り込んでも出るのも簡単です。
とはいえ、自国の交通ルールと、観光地として旅行先のルールは違います。
事前にルールは把握しておき、過信せずに心して安全運転を心がけましょう!
写真:2007年8月。
南パースにある住宅地にて。