パロネラパークが熱帯雨林の一体どういうところにあるのか。
そんなことはガイドブックに全然書いてません。
キーワードを「水」という切り口にして、見て行きましょう。
天空にあるテーマパークと書かれたりしてますが、山頂にあるんでしょうか?
どこにあるかの手がかりはパーク内を見るとよくわかります。
その前に、ホセ・パロネラがそもそもスペインから移民してきて、どうしてこの地に庭園を造ろうと思ったのか?
第一印象がこの滝だったそうです。
その名はミーナ滝。あまりの美しさに「ここが一番の美しさ。ここに城を築こう」と心に決めたとされてみます。
確かにこの滝が流れる川はとても美しい風景です。
1920年代と変わっていないのかなあ。
この流れから、天空と言われるような、山頂に作ったわけではないことがわかりましたね。
その次に、庭園内の高低差です。
一度は廃墟になったため、昔ホセ・パロネラによって作られたものを復旧した噴水。
高低差をうまく生かして、動力を使わずに噴水の仕組みを作ったとか。
しかも、設計図はなく、全て彼の頭の中に描いたものだったとか。
イメージしものを作り上げることができるなんて、天才ですよね。
因みに、先ほどの滝の右側には、クイーンズランド州発の水力発電所も彼が作っています。やっぱり天才だ!
はやり同じく今は復旧させて、夜間のライトアップに再利用されてますから、今風にいうと「エコな」発電システムです。
滝が流れるほど高低差があるということは庭園内の水の流れはいったいどうなっているのか。
それは、こちらのせせらぎ。
とっても綺麗ですね。
せせらぎというだけあって、緩やかに流れていますが、設計通りに人工的にせせらぎまで作っていました。
しかも、驚いたことはこれだけではありません。
ガイド曰く「滝の音が遠くに聞こえますが、せせらぎの音は聞こえますか?」
ん?確かに、音が聞こえてこない。
もしかして音が出ないように設計したっていうこと!!
どうもそうらしいです。園内に高低差があるにもかかわらずです。
では、最後に。どれくらいの高低差が見て取れるでしょうか?
それがこの階段。
見た目以上に急な階段なんです。
写真には写っていませんが、欧米の団体ツアーで来ていたお年寄りたちの階段を上るのが遅いこと!
この高低差の階段を登っていて、気が付いたことがあります。
それが下の写真。
1946年に激しい洪水が発生し、この階段の位置まで見ずに浸った証拠がありました。
これは先ほどの写真で階段全体を取りましたが、3分の2上がったところの高さまで、
それも洪水発生から約40分で到達したそうです。
(にも関わらず、再びホセ・パロネラによって庭園は復活したそうです)
その後、1986年に再び台風と洪水が発生し、3分の1上がったところの高さまで浸かり、完全に廃墟になってしまいました。
この歴史的な洪水により庭園としての機能は無くなりました。
熱帯雨林の自然の驚異を感じたのは言うまでもありません。
写真:2013年7月