たいていの半島は、日本でもどこでも同じような道。
半島の突き出た岬や漁村、フェリー乗り場は、眼下の、かなり下の方に見据えることができます。
そこに至る道は決まってワインディングロード。
くねくねと急カーブしながら道を下っていく。
だいたいお決まりのコースです。半島に行くには、まるで山を1つ超えるかの如く、時間が掛かります。
日本でもいくつもの半島を超え、先端も岬、漁村まで行ったこと数知れず。
なのに、どうしてクルマの運転に時間がかかることが、このとき(レンタカーを借りて、初めてのケープジャービスに向かうまでの道路で運転)まったく気が付かなかったのか、今もってわかりません。
時間が掛かっているな、とわかったのは、あと10分でフェリー乗り場に着く、その前の高台で急カーブに差し掛かった時に、フェリーが行ってしまったときです。
普段の生活で、交通機関で乗り過ごしは経験したことは誰でもあるでしょう。
日本での生活も電車、バスに乗り過ごしたことは山のようにあります。
幸い首都圏では乗り過ごしてもすぐに次の電車やバスがやってきます。
急いでいればタクシーもあるし。
地方に行っても、最悪30分、でなければ1時間か2時後に。それでもダメならタクシーを呼ぶことができます。
国内線の飛行機の場合も、よほどのローカル線でなければ、フライトを待っていれば、なんとかなります(2本待って2時間後に乗ったことがありますが、満席のためその日は結局乗れなかった経験がいまだになく、単にラッキーなだけかもしれませんが)。
前置きが長くなりました。
「フェリー乗り過ごしました!」
では、フェリーを乗り過ごした場合、どうすればいいのか。
いきなり直面した難題。しかも海外で、趙田舎町。レンタカーやマイカーのクルマ以外、公共機関は一切見当たりません。
どうしようか・・・どうにもならない。
選択肢は2つしかありません。
・諦めてシティに戻るか。
・乗れるまでひたすら待つか。
ここまで来たんだから、乗れるまで待つしかないでしょ!
と腹をくくることにしました。
このように書くと、単に待っていればいいように見えますが、そんなに簡単じゃなかった。
先ほど目の前で行ってしまったフェリー。
恐らく「あわよくば」乗れればラッキーだった3時半発フェリー。
我々が付いた時は4時前だったので、アンラッキー。
じゃあ、次の便は?
もともと事前予約をしていなかったので、このフェリー乗り場でチケットを買えばいいや、くらいのつもりでやってきた。さてと。
私「すみません、次の便は何時でしょうか?」
フェリー乗り場の係員「次は6時です」
私「では、おとな2人分、子ども人分をお願いします」
係員「次の便は満席です」
私「今なんと」
係員「チケットは完売です」
頭の中がオーストラリアのビーチのように真っ白。カンガルー島には今日は渡れないのか。
そこに係員がこそっと。
係員「今日は金曜なので、臨時便が出ます。チケットはあります」
私「それでOKです。で、何時ですか?」
係員「10時発です。」
えー!まだ今から6時間もある。いったいどうすれば。
私「10時より前は無いんですね。仕方ないので、チケット買います」
係員「では、10時に予約しておきます。6時の便で万が一キャンセルが出た場合、優先順に乗れますが、待ちますか?」
当たり前じゃないですか。待ちますよ。
私たちは、キャンセル待ちで6時の便に賭けた。
もしかしたら6時に乗れるかも。
これで気分は落ち着いた。とりあえずは。
それが勘違いだったとしても。
ケープジャービスのフェリー乗り場から見る日の入り。
なんだかまぶし過ぎます。
記事:2011年7月