トイレにいっているうちに、ピンクのおじさん、じゃなかった、ピンクの風船をまとったペースメーカーのおじさんが追い抜いて、あっという間に行ってしまいました。
ああ、置いてかれた。
ということは、現時点で(ピンクの風船おじさんが時間通りに走っているとして)5時間をちょっと過ぎるペースで走っているということだ。
すぐに追いつければ。
いや、無理に追いつこうとするとペースが乱れるから、無理な走りはしない。
記録は決して狙わない。それが今回の自分のゴールドコーストマラソン。
トイレ休憩に費やした時間はおよそ5分。
たかが5分だけど、無理してその5分を縮めると30キロを超えてから30分余計にかかりそうなので、ここは今までと同じペースを守ろう。
そうだ、それが大事なんだ。
なんてことをうだうだと頭の中で考えていたころ。
この5-6分の間で、先頭集団に続き、第二、第三の集団とすれ違い、あっという間に走り去っていく中。
また前方から拍手と歓声が起こっている。
今度は何??
すれ違いの集団が来たら腕と腕が接触するんじゃないかというくらいにぎりぎり反対車線の近いところに移動し、様子を見てみることにした。
歓声の原因はすぐに判明!
女性ランナーが集団に中にいた!
しかも日本人のランナーだ。
サングラスをしているが、シルエットですぐに誰だかわかる。
肩までかかるくらいの髪を揺らして、風を切って後ろにたなびかせている。
前傾姿勢にも左右に揺れることなく、見事なまですらりとしたまま、上半身揺れることなく一定のペースで前を進む。集団の周りはほぼ男性。スピードにまったく引けを取らない。
なのに、目立ったレースでは無冠のままの人生を歩んできたと言ってもいいかもしれません。
けど、自分にとっては、女性ランナーの中では、増田明美さんに次いで際だって目立った憧れの日本人ランナー。
渋井陽子さんだ。
同じレースを走っているなんて、とても信じられない。
しかも、すれ違いは1秒の半分もないだろう。
5時間のレースにだとしたら、5時間×60分×60秒=18000秒の中の0.5秒のすれ違い
たった1/36000の瞬間だ。
けど自分の中では、1/36000 のこの瞬間が一生残ると確信した。
こんな体験。一生の中で早々ないよね。
まだ足も身体も重くなってませんが、心は逆に軽くなりました!(^^)!
10キロはもうすぐです。