日常と対して、旅は日常生活のフレームを壊す行為でもある。
と偉そうなことを書きましたが、実際、日常生活を日々過ごしていると、活動範囲が固定され、動きもパターンが決まっていることに、皆さんお気づきだと思います。
家から会社に行って、たまに途中下車してショッピングに行ったり、食事したり・・・少し遠くにできた最新スポットを訪れることはあるかもしれませんが、そんなに大きく道が逸れることもなく。。。
そこで、そんな枠をはみ出して、なにかワクワクしたい、知らない世界をちょっとでも覗いてみたい、というとその先にあるのは、「旅」なんじゃないでしょうか?
そうなると、いつも見ている活動範囲の中で調整できることも、全く知らない活動範囲外で起こることは、なかなか調整できないものです。
だから、自然にゆだねて、起きることに身を任せるしかないと思います。
ブリスベンからシドニーまで直行できず、キャンベラ経由で大幅に予定がずれてシドニーに到着した翌日です。
写真で見る限り「ど」が付くほどの快晴で、昨日までの悪天候はどこへやら。
というように見えますね。
シドニーのハーバーブリッジとフェリーが収まる、ここは有数の観光地、サーキューラーキー。
これなら、前日半日無駄になった観光も大いに取り戻せそうです。
ところがどっこい。自然はそう簡単に許してくれませんでした!
昨日までの間断なく吹く強烈な横風は、たまに「吹き荒れる」くらいで、風が吹かないときは文字通り「凪(なぎ)」状態。
さあ、これからフェリーに乗って郊外までお出かけだ!
とサーキュラーキーで船に乗ろうとした矢先のこと。
目的地は、シドニーでフィッシュアンドチップスが一番おいしいと言われる、
ドイルズ・オン・ザ・ビーチ
のあるワトソンズベイ。
フェリーで40分も乗れば、もう少しで太平洋に出れる、という半島のほんのちょっと内海に窪んだところにある小さな町。
ただし、家は半端じゃないほどの高級住宅地。
やっぱりシドニーのシティの街並みが見れる場所はどこも高級住宅地に溢れていますね。
なのに、それなのに、フェリー乗り場の切符売り場の係員からの残酷な
「強風によりフェリーは1日中中止です」
の一言で家族全員で撃沈しました。
ちなみに、シドニーは、一見海に面しているように見えますが、実は外海ではありません。
ハーバーブリッジがあるのでおわかりかもしれませんが、北側には北シドニーという町があり、その間をパラマタリバーが流れます。それが河口に近づくにつれ大きな川幅となって、あちこちに湾を作っています。
なので、行き交うフェリーのルートはほとんど内海見たいなものです。
強風が朝から吹いていることも知ってましたし、ニュースで交通が乱れているなんてニュースもなかったため、フェリーが運航停止するなんてことは「朝の情報番組から推測して」全く有り得ない、と踏んでました。
ところが、想定外なことが起きるんですね。
結局フェリーには乗れず、フィッシュアンドチップスもワトソンズベイで食べられずお預けになりました。
見てください、空はこんなに青いのに。
どうして自然はこんなにも私たちには残酷なんでしょうか!
と10秒だけ考えて、気を取り直し、サーキューラーキーとオペラハウスの間にあるレストラン街でフィッシュアンドチップスのお店を見つけて、それなりに美味しいひと時を過ごしちゃいました☺
それはそれでゆっくりとくつろげたんだなあ(笑)
抗うのを止めて、身を任せると、旅は楽になります。
写真:2019年8月10日