ホントに楽しい!オーストラリア

~楽しいからには理由がある~

携帯ときゅうり(長文)

今年変わった日本の総理大臣が、どうしてもやりたかったことがあるらしい。

 

携帯会社(メガキャリアともいわれている)N社、S社、K社の料金が高すぎると。

 

この3社は、確かに売り上げも利益も桁違いに大きいために、狙われたんだろうし、家計に占める割合も高く、ここにメスを入れないと家計負担を避けられない、と言いたげのようです。自分たちが今まで数々の犯した失敗の矛先を変えたかったんでしょうね。

では、値段を下げることができないかというと(しかも利益を削りすぎて倒産、なんてことがないようにするには)、そんなことはない。

携帯料金が高いのは、しこたま利益をかっさらっているんじゃなく、品質を維持するために、たくさんの人を雇わないといけないからなんですよね。

つまり、品質(つながらない、なんてことがないように)を下げ、メンテナンスに関わる多くの人を解雇すればいいのだ(極論を言ってますので、念のため)。

 

ところで、大手3社以外の選択肢があるんだから、やる気があるんだったら、そちらの会社に利用を促すだけでいい話です(今のところ大手3社が契約方針を変えなければ)。

 

では、我々オーストラリアが好き&気になるグループにとって、一方のオーストラリアの携帯はどうなっているんでしょうか?

 

私はオーストラリア在住で日々スマホを使ったりしているのではないので、品質など詳しいことはわかりませんので完全な比較はできないことをあらかじめ申し上げておきます。

ただ、何度もスマホを使ったことがあるので、感想をお伝えします。

 

(そのほかにテルストラ、ボーダフォンという会社もありますが、話が膨れ上がってしまうので、今回は省略します)

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スマホを使うなら大いに助かるOPTUS

こちらは、旅行者にとってもお得なプランが用意されていますが、日々使う生活者向けの通常プランもありました。

・契約月々後払い 通話&テキスト無制限、国際通話は含まない。データ10GB 

2020年5月現在39ドル。約3000円程度でしょうか?

 

これだけ見ると、確かに日本の大手キャリアのスマホが、5000円だ、7000円だ、と言われているとの比べると、確かに安いですね。

 

ただし、つながりやすさを考えると、どうなんでしょうか?

例えば、日本人にも有名な観光地の一つ、ケアンズ

とても小さな、こじんまりとした町なので、ちょっとした買い物(お土産も!)なら、500メートル四方で済んでしまうほど。

だったら、どこでもつながりそうな感じに思えるでしょう。

 

ところが、マックのような大手チェーン店、ノボテルのような名の通ったホテルのロビーなど、かなり限られた地域でのみWIfiがつながるといった印象です。

まあ、最悪Wifiがつながらなくても通話ができないわけじゃないので、不便さを我慢すればなんとかなります。

 

ところが、タスマニア随一の観光スポット、内陸部の山の中、クレイドルマウンテン国立公園(世界遺産にもなっています)のホテルやレストランでもWifiの電波は弱いか入らないか、そもそもネットワークも電話もとても弱くて繋がらず、ほぼ使えないと思ったほうが良いくらいでした(2017年時点)。

 

で、それが本当に困ることでしょうか?まあ観光客だから、利用は限定的。救急を呼ぶ事態になったらどうするか、考えなければならないですけど。

 

つまり、どこでもいつでもつながる品質を求めると、オーストラリアだって莫大な維持費と人員体制が必要になります。その分通信料金に反映されるわけですよね。

 

私個人は、仕事に多少支障があっても、なんとか生きていけるはずなので(笑)、オーストラリア並みの体制でよいと思っていますが、大半の日本人は、「つながらないなんて、ありえない」と思っているんじゃないでしょうか。そうじゃないと困る人はいると思いますが、たいていの人は思い込み。ここにメスを入れないといくら某首相が携帯料金下げろといっても企業側はすぐに「はい、やります」とは言えないでしょう。

 

もう少し生活寄りの比較をしてみます。

 

例えば、誰でも知っているきゅうり。

日本のスーパーでは、曲がっていたり、極端に短いきゅうりは売れないから、出荷前にはじかれます。でも、同じ畑から採れたんだったら、味は同じはずですよね

見た目が良くないからといって、見た目悪いものを捨ててしまったら、見た目の良いものを確保するのに、もっとたくさん作らなければならなくなります。

これって無駄ですよね。

 

そんなことしないで、普通に店頭に置けばいいのですが、今となっては消費者も曲がったきゅうりを選ばなくなってしまったかもしれません。

こんな手間のかかることをやっていては、きゅうりの値段は下がらないでしょう。

 

一方のオーストラリア。

これは、メルボルンにあるクイーンビクトリアマーケット内の主に野菜・果物を販売しているエリアで陳列されていた野菜です。

きゅうりの写真があまりないのですが、それでもどこもこんな感じです。

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QVM内の陳列野菜

もう、とても巨大なきゅうりなんですが、日本のようにきれにまっすぐに育ったものを陳列しているとは言いがたいですね

(でも、結構ご丁寧にビニールまで巻いているのは高級志向のメルボルンっ子のためなのか)

おそらく、オーストラリアの農家さんは、曲がったきゅうりを取り出して、出荷前に捨ててしまおうなんて考えてないと思います。

捨てることも、捨てるてための費用も、選別する作業も、すべて無駄ですからね

 

これは、何も携帯やきゅうりに限った話ではありません。

生活のあちらこちらに、何かを維持するために費用をかける日本と、無駄なことに費用をかけない、最悪なんとかやり過ごせる(と思って生活していないと思いますが)オーストラリアの違いを感じ取ることができます。

 

オリンピックやアベノマスクなど挙げだしたら切りがないほど無駄なことにお金を使っていると皆さん考えていると思いますが、もとを正せば、どこかで費用を回収しよう、儲けようと考え出す人が出てくると、どうしてもこうなってしまいます。

そして、お金がある(予算が付く)と、こんなことが起きてしまいます。

 

「オーストラリアのような過ごし方をしよう」といっても、すぐにはできないので、やっぱりオーストラリアに住みたい、と思っている方は、こんなところにも何かを感じ取っているんじゃないかな。

あ、私もそのうちの1人です(笑)。

 

どちらのほうが生活がしやすいか、正直わかりません。

誰もが使えるお金を持っていた高度成長経済ただ中(1970年代)、バブル時代(1990年代前半まで)の話なら今までの日本の生活スタイルでもいいかもしれません。

しかし、今ではほとんどの人が生活に余裕がない。

だったら、オーストラリアの生活方式にそろそろ舵を切ってもよいんじゃないでしょうかね。