ファーイブ、フォー、スリー、ツー、ワン、Goーーーーー!
まるでイベントの開催の合図かのようだった。
いや、これは壮大なイベントなんだろう、と改めて思った。
合図で動いているとはほんの一部の人だけ。
そして自分はまだまったく定位置のまま動かない。
運命の日、2014年10月12日日曜日の朝8時。
この時間で既にこの日のイベントは3回目である。
メルボルンの観光の一番中心と言われる、フリンダースストリート駅、またはフェデレーションスクエアという、観光情報を一番多く取り扱っている場所から徒歩で約15分のところに位置する、古くからとても由緒ある場所でもある。
まだ朝日が昇り切っていないメルボルンの朝。
事前の予報では、今日この日は1日に2回雨が降る。そして、午前中から気温が10℃を下回り、最高気温も13℃くらいまでしかあがらない、1日曇りか冷たい雨の予報であった。
前日になり、「明日はいい天気になる」予報に変わっていた。
当日、陽の光を浴びることも。
変わりやすいメルボルンの天気は、今回に限りいい方に転がったわけだ。
いずれ陽が高くなると暖かくなるんだろう、と予想して、ひざのかなり上まで足が出る、短めの短パンを履いて、多少寒い中出番をひたすら待っていたのだ。
それも、自分の周囲にいる人もみな同じ。
でも、目的は人それぞれだろう。
何しろ、冒頭にも書いたが、これは競技でなく、イベントなんだから。
そう、メルボルンでも、伝統のあるイベント。
周りで歓声が上がっている。
どうやら自分たちの周りも動き出したらしい。
既に5分経っているが、そんなことは別に構わない。自分には。
周りの他の人も、構ってないようだ。
どちらかというと、晴れ晴れとした、笑顔、笑顔、笑顔。
そうだ。この中の1人でいられるんだ。
自分もなぜか笑顔になっていた(鏡を持ってないので実際には見てないけど、多分笑顔になっていたはずだ)。
やっぱりここに来て良かった。
来ただけでも価値がある。
けど、せっかく参加するんだから、がんばろう、そして
「楽しもう!」
どんなことが起きても損はすることは無いだろう。それだけは確信持てる。
恐らく、この経験は一生の思い出の1つとなることも確認持てる。
そう考えるだけで、今までの最悪な身体のコンディションを背負っていても、もうどうでもよくなった。
結果はあとからついてくる。
そう思いながら第一歩をあとにした。
確かな記憶をまた1つ増やすために。