スタート直後は、周りを見て想定範囲だった。
何が?参加しているランナーについて。
最前列からスタートしたのか、ずっと歩いているお年寄り(夫婦だったり)。
仮装で走っている集団。
お揃いの服(シャツ)を着て、なにやらロゴをアピールしている企業チーム?
おしゃべりしている女性ランナーたち。
カップルなのか、男女手をつないで仲良く走っていたり。
このあたりはある程度予想できてました。
でも、まったく予想できなかったことも。
どう見ても80歳以上に見えるお年寄り
(実際、ホノルルマラソンとかでも90歳のお年寄りがフルマラソンで完走してしまった記録もあるので、不思議ではないけど、目の前で走っていると結構予想外です)
やたら身長が高い人(たぶん190センチ超え、男性だけではなく、女性も)
何を入れているかわからない、パンパンなリュックを背負っている人
自分専用なんだろう、栄養ドリンク用のペットボトルや、液体チューブの補給食品を腰のポケットにたくさん詰め込んでいる人(走りにくそう)
え、その体型で走るんですか?危なくないかな?と思える人(あくまで個人的な発想ですが、結構多いので、自分の価値観が非常に狭いことが判明する)
バナナとか食べながら走っている人もいた。
そんな人が入り乱れて、大勢が最初の1キロを走る。
全体のコースはほとんど平坦なメルボルンマラソンだが、最初の1キロとラスト3キロくらい手前の唯一2か所だけ、ちょっとした登り坂がある。
その登りのせいでいつもの自分のペースで全然進まない。
「最初の混雑から抜け出すために、一時的にペースを上げてはいけない」
とものの本に書いてあったので、ダッシュはやめよう。
それに、そもそも記録を狙っているわけではないし、周りを楽しむことを忘れちゃだめですね。
心してスピードを上げるのはやめておこう。
(この心がけがもしかしたらのちのち、体力の低下を防いだのかもしれない、と今になって思うのであった)
その上り坂というのは、MGCがあるオリンピック公園と言われる地域から、シティの中心的な存在でもある、フリンダース駅&フェデレーションスクエアに至る、専用歩道(専用デッキ)が1直線に延びている。その道が一定の角度でだらだらと続く。
とはいっても1キロなんて全然なく、多分500メートルくらいなんだろう。
たったこれだけがいわゆる最初の難所であったのだ。
朝日が昇ってきた。
目の前にそびえるシティの高層ビルに反射して照り返している。
今は涼しい、どちらかというとまだ肌寒い。
でも、これから日がもっと登れば、気温ぐんぐんと上昇する。
最高予想気温はスマートフォンの情報では28℃まで上がることになっている。
そんな、夏日のような陽の下で走るのはしんどくなることは予想できる。
楽しむとは言いつつ、ばてばてのまま帰ってきたくない。
ちょっとペース配分を考えようかな。
と思いながらフリンダース駅に向かって最初の交差点を左に曲がる。
日曜の朝8時を過ぎた観光のメッカ、フリンダース駅の周辺には観光客、地元のメルボルンっ子はほとんどいない。
拍子抜けするほど少ない、沿道の歓声を受けながら、あまり角度のないゆったりとした下り坂が始まる。
前後の間隔が少し空いてきたので、「これからは自分のペースで走ろうかな」
と考えてはじめていたのだった。
まだ、始めの2キロだった。
写真は、スタートしているのにスタートゲート通過するまでに時間が掛かっているところです。