ホントに楽しい!オーストラリア

~楽しいからには理由がある~

頬に風を受けて 14  

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グッバイ、アルバートパーク湖。

ハロー、アゲイン。セントギルダロード。

再びセントギルダロードに戻ってきた。

 

戻ってきたのは、我々だけではない。

フルマラソンのランナー達も同じゴールに向かって、同じセントギルダロードを走っている。

 

つまり、フルマラソンランナーと合流して、ゴールのMCGに向っているのだ。

ここまでフルマラソンランナーである私たちは約12キロは走ってきた。

自分にとっては最長記録だ。

ここまで来たのだから残り半分は歩いてもいいし、歩いたとしても残り10キロ。2時間半でゴールできる。無理する必要はない。

でも、まだ身体も呼吸も全然問題ない。

(だったらまだ走れるな)

そう思ったとき、周りの雰囲気が変わっていることに気が付いた。

明らかに全体の走るペースが上がっている

なんでだ?

この数キロ、全員を抜いてきた。

それが、今度は逆、ほとんど抜かれている。

抜いていったランナー。それは、フルマラソンのランナーであった。

さすがにエントリーして完走しようとしている面々だ。

みな鍛えられた男女のアスリート。そういう風に見える。

気が付いたら、自分のペースは結局スピードアップしていた。

ここは流れに身を任せてみよう。

 

ここで謎だった1つが解けた。

アルバートパーク湖を走っていて「女性のランナーが多いな」

と思っていたが、実はそうではない。

男性のランナーが「少ない」のだ。

男性のランナーは、普段鍛えているならみなフルマラソンの方にエントリーしているのだ。

その代り、女性のランナーは比較的ハーフマラソンの方にエントリーしているわけだ。

数えたわけではないが、12キロ以降、フルマラソンのコースと合流したあと、なんとなく男女半々のように見えた。

 そんなことをあれこれ頭の中が考えているうち、標識が見えてきた。

「14キロ」地点だ。

ハーフマラソンだと、21キロのうち14キロは、全体の約2/3まで来たということだ。

凄い。あと残り1/3なんだ。

この地点にきて、フルマラソンで前方を走っていたランナーがぽつぽつと歩いている。

彼らにとっては残り1/6。

既に相当走ってきているはずなので、心身共に相当なダメージを受けているはずだろう。

それでも、ダメージに負けずに走るフルマラソンのランナーたち。

その中には女性も男性も高齢者もたくさんいる。

素晴らし過ぎる。(いつの日か、このメンバーの中に混じって走ってみたい!)

 

ふと時計に目をやる。

時間はまだ11時にもなっていない。

少々陽が高くなり、ようやく気温も上がってきた。

今まで出なかった汗もこころなしか噴き出してきた。

多分、先を行くランナーたちも相当熱くなってきているんだろう。

そういえば、この区間(肝心な時に)給水がないぞ。

車線の半分は規制を解除したのか、片側でクルマが走っている。

路面電車の本数も増えている。

路面電車の乗客が無邪気に我々ランナーに手を振っている。

自分も元気をもらいたいので、乗客に手を振りかえす。

気が付いてくれたのか、再度乗客から手を振ってもらう。

そして一言、二言。

「グッドジョブ!」「ナイスラン!」

 フルマラソンのランナーに負けることなく、同じスピードに乗って14キロの表示ははるか後方に消えて行った。

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