日本の首都県に住んでいると、人口減だというのに、雨後の筍(たけのこ)のごとく、次々にスーパーがオープンしている。
どう考えても人口が爆発的に増えていないのに、スーパーだけ爆発的に増えているって、どういうことなんでしょう。
それはともかく、とっても気になっているのは、スーパーの食品コーナーで売っている、肉、魚をはじめとする生もの。
野菜や果物は、まあ多少は翌日、翌々日まで新鮮さはなくても安全に売れそうなものはあるかと思うけど、肉、魚はそうはいかないよね。
中には売り切るスーパーもあるけど、たいていは売れ残るはず。
どうしているんだろう。
毎年、食料廃棄で必ずマスコミの話題になる、もはや定番の風物詩となった恵方巻。
2021年2月のデータなので、割と新しいです。
実は以前よりも完売するお店が増えている。けど、まだまだ処分しているお店もあります。
では、クリスマスケーキはどうなっているんだろう。
2020年の調査の記事。こちらは例年とあんまり変わりはなく、売れ残り多数ですね。
さて、最後に、カフェで売っているお菓子類はどうなっているんだろう。
日本国内最大級のコーヒーチェーンといえば、もはや代名詞に持っている「スタバ」。
8月23日から、閉店前に売れ残っている、ドーナツ、ケーキ、サンドイッチなどの翌日まで持ち越せない食品が店舗の在庫の状況に応じて、割引になったりするそうです。
だいたい2割引きとか。
フードロスの問題が言われてから数年経つのに、正直日本の対応は本当に遅いです(怒)。
じゃあ、海外の状況ってどうなんだろう。
きちんと調べないと本当はわからないんですが、実はオーストラリアでこんな体験をしました。
やっとオーストラリアかよ。って聞こえてきそうですが、前振りが長すぎました☺
こんなコーヒーを注文しました。おいしそう。
時間は16時半を回ろうとしていたところ。
ちょうど外は雨が降ってきて、身体も冷えてしまったので、ホットで身体を温めたくなっていました(タスマニアって、他の都市と違って、結構寒いんですよね)
繁華街でも多くのお店がそうであるように、17時閉店の準備を進めていました。
もともと私たちも17時の閉店までには出るつもりでしたので、全然慌ててなかったですが、本当に慌てたのは、この後。
いきなり店員がやってきて、このケーキをおいて「どうぞ」と。
ん?頼んだっけ?閉店間際までいるので、何か頼まなければいけなかったかな。
でも、何も要求してこない。しかもお皿まで出してきた。
シャイな店員さんだったからよく聞き取れなかったんですが、よくよく聞くと
「売れ残ったから、いりませんか?」
だったんですね。
うれしい、ラッキー。
とその時は得した気分に浸ってました。子どもたちもケーキ大好きだし。
でも、振り返ると「捨てる」行為がいかによくないか、作ったなら食べてもらって、廃棄を無くす方が選択として正しいはずで、それを実行したまでなんじゃないでしょうか?
実は、この店舗だけがそんな先進的な取り組みをしているのかという、メルボルンのカフェでも体験しました。
おしゃれなメルボルンの街角のカフェ。
街並み以上に店内もおしゃれでした。
まろやかな中にしっかりとした味わいのあるカフェラテ。もうこれで十分!
こちらも17時前、間もなく閉店のお時間。
とその時、店内にわずかに残る客に店員がケーキを配っているのが遠目に見えました。
この時も
「売りつくしセールか!」なんて思いながら見ていると、こちらにもやってきた。
なんかあんまり巻き込まれたくないなあ。
「ケーキいかがですか?」と来たので
「いや、コーヒーだけで十分ですので」
「せっかくですので、食べてください。料金入りません(FREEと言っていた)」
とケーキをくれることになりました。見た目どおり、かなり大きな、イチゴが乗ったパイ。これ、結構お腹にたまるけど、いやあ、美味です。おいしいです。
帰りにキャッシャーのあるレジの前を通過したときにショーケースを見たら、普段はおいてあっただろうケーキ類が空になっていました。
(正確にはレジ裏で店員がなにやら紙袋に詰めていたので、自分たちの食べる分のケーキかパンを詰めていたようにも見えました)
これぞ、オーストラリア流食料廃棄ゼロ施策かな。
破棄をしないので、無駄なコストもかからず、地球にハッピー。
どうせ捨てるなら(お金にならないのなら)お客にあげてしまったほうが、お客もハッピー。地元客だったら、リピートしてくるかもしれないし。
ということで双方にとってハッピーなんですね。
こんな簡単にできるなら、ぜひぜひ日本でもやって欲しいですね。
無駄とか、コストが、とかでなく、「ハッピーな笑顔」を見れるなら、なんか前向きになれますしね。
今日は明るいオーストラリアに話でした。
写真 ホバート 2017年 3月
メルボルン 2014年10月