オーストラリア人は、本当に人生を楽しもうと、今を大事に生きているって思えます。
そう「今」です、今。
後先に不自由ないように日々励む我々日本人のDNAとは明らかに違います(最近は、老後破産とか、老人漂流とか、非常に暗い老後の世界の話題に事欠かないため、逆に今でしか楽しめない若者が増えてきているところを見ると、だんだんとオーストラリアに近くなってきているのかもしれません)。
本題に戻します。
オーストラリアで、本当に今の今しか考えていないのかな?と感じてしまう体験をしたのが、パースでした。
オーストラリアに行くと必ず付きまとうのはレンタカーを、いつ、どれくれい、どのようなグレード(子連れの場合、安心して乗せられるクルマが必須条件になります)で借りるべきかと常に頭を悩ませます。
なんて悠長に考えていると、朝からたくさんの客が当日レンタル感覚で、どんどんとオフィスにやってくるんですよね。
早く判断しないと、借りられるクルマが無くなってしまいます。
そんな、オフィスで悶々と悩んでいると、とある(自称)学生が1人、英語で私に話しかけてきました。オフィスにいるんだから、もちろんクルマを借りにきているはずです。
学生「あのー、クルマを借りようとされてますよね?」
私「もちろんそのつもりですが、何でしょうか?」
学生「私も借りて、どこかにドライブしようと思っていますが、ご一緒しませんか?」
私「実は、私は家族4人で移動するので、5人はちょっと狭いし、子連れなので、あまり色々回れないんですが」
学生「時間は掛かっても問題ないです。それより、一緒にお金を出しませんか?」
私(ん?言っていることが全然理解できない。そもそも英語力そんなにないし。自分の理解が全く足りていないのかな。)
学生「クルマやさんに行って新車を買いませんか?今オーストラリアの経済は好調ですから」
ここにきてようやく事情が呑み込めました。
彼はそんなにお金がなく、もちろんも私もないけど、共同でお金を出し合って新車を購入。その後適当なところで中古車業者に販売すれば、「元は取れるだろう」。
だけど、学生旅行と違って私たち「日本人の」旅行の期間はとっても短いし、その上子連れで、一瞬一瞬の決定する時間はできるだけ短くしたい。だから、新車を選んで交渉し、クルマを買う手続きをして、行先を決めるには1日掛かるし、更に売るときにも・・・と時間を考えると全く同意できなかった。
ということで、なんとなくレンタカー屋のオフィスで物別れとなってしまったため、Good Bye の挨拶さえしていませんでした。
では、改めて考えてみましょう。
もし私たちファミリーに、旅行のスケジュールに余裕があり、お金も多少余裕があったら、新車を買いにいったでしょうか?
うーん、やっぱり行かないなあ。
第一、のちのちの新車売却時に、「元が取れる」とは思えませんし、大損する可性性だってあるんですから。
(途中で事故って、クルマを壊してしまうことだってあります)
そういう後先を考えて、「将来について」を話す機会が実はあまりなかったりします。
(もちろん、学校を卒業するときに、将来なりたい職業は何か、とは話題にはなりますが)
将来にこだわり過ぎる日本人。今をことさら大事にするオーストラリア人。
ちょっと大げさな比較ですが、案外この差について押さえておくと旅行の際、結構面白いかもしれませんよ!