ホントに楽しい!オーストラリア

~楽しいからには理由がある~

シドニーマラソンの取説 最大の再開発地バランガルーとコース最難関のダーリングハーバー

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観光地の長いロックス道路を抜けると、そこはハーバーブリッジであった。

なんだか書くと詩的ですが、間もなく30キロ。経験の少ないフルランナーにとっては詩的に浸る余裕はない。ただ、見上げると「今度はハーバーブリッジをくぐるのか・・・」

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そして、ふと振り返ると、後方にオペラハウスが小さく登場
率直な感想。
まだ、あんなところまで帰るんだ」。
しかも、まだオペラハウスとは逆方向に向かって遠ざかっている
残り13キロ。これからが本番です。

フルマラソンを指導するコーチが、ランナーに言い続けている言葉
「30キロが折り返し地点と思え!」

 

・バランガルー登場
先ほどのハーバーブリッジをくぐって1キロほど進むと、突然海とハーバーと、建設中の建物が見えて来る。

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ここが、シドニーで最も熱く、最も大規模な再開発地域なんだそう。
古いふ頭の倉庫を潰し(一部リニューアルし)、おしゃれタウンに変貌させる。
横浜みなとみらいや、お台場の埋め立て後のショッピングセンターを思い浮かべるとイメージできるでしょうか。
土地が広いので、ただただ巨大さに唖然としてしまいました。

もともとバランガルーの隣(対岸)にある、ダーリングハーバーにはカジノ、ホテル、レストランの複合施設が前からあります。

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ただ、もうん10年も変わっていないので、イメージ一新した新しいカジノ、ホテル、レストランを作ることになっているそうですが、それだけ集客を見込めるんでしょうね。

世の中大旅行ブーム。きっと集客は成功するでしょう。
まさに建設ラッシュのただ中をランニングコースにしてしまうところが、これまたオーストラリアらしいです。
(何年か前は、バランガルーを通らないコースだった)

・最難関

建設が済んだ最新ショッピングセンターを抜けると、いよいよコース最大の難所の上り坂登場。

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自動車専用のハイウェイなので、普段は歩くことはできない。
それにしても、29キロ走ってきたあとで、延々500メートルの急斜面はかなり辛い
この上り坂さえなければ、全体として非常に走りやすいシドニーラソンですが、唯一ここだけは市民ランナー最大の難所

なんてったって、坂道の直前の28キロ(正確には、すれ違いの反対側ランナー用40キロ)付近のトイレを利用していた、30代と思しき女性と私の2人しか坂道を駆け上がってません。4時間半以上を目指すランナーは、この坂道走っちゃだめだよ!
あ、そもそもそんな体力、誰も残っていないか。

 

・坂の上から絶景のダーリングハーバー

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ダーリングハーバーは、ハイウェイの坂道の上から見て、カタカナのコの字に沿ってレストランなどの店がずらり。合間に水族館や観覧車など大型施設が並ぶ。
ダーリングハーバーのコの字をう回せずに渡れるピアモントと呼ばれる桟橋が遠くに見える。
本当は近いだけど。
そこをこれから目指して走るんだよね。だから「遠く感じる」なあ。

と思うほど、全身疲れた。

センテニアルパークを10キロ走り、その後下り坂を一気に加速してエネルギーを使ってしまったからかもしれません。
延々上り坂を上がる最中に上半身の体力も使い果たし、カメラを片手で持ちこたえるのがきつくなった。
なので、どうしても写真がしたの方ばっかりになってしまうことをお許しくださいね。
ダーリングハーバーの賑わいだけは写真に撮りたくて、30秒ほど足を止め、うごめいているゴマ粒大の観光客と、太陽の元出入りする数隻の小型のフェリーをぼんやりと眺める。

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タイムを気にしないって、ほんとにいいですね。

ダーリングハーバーに向かって走り切ったら、間もなく30キロ。

 

写真:2018年9月16日

シドニーマラソンの取説 ペースメーカーとお帰りロックス

・センテニアルパークを出る

センテニアルパークを走り抜けた、約10キロの旅も終了。
緩く、長い坂を上ってきたフリンダースストリートを今度は逆走する。
つまり、緩い下り坂。
だいぶ足に疲れが溜まってきてしまい、さて、残り半分の21キロも走れるのか。
(そのころ先頭集団ゴールしている)
ああ、疲れたなあ。
と思っていたら、後方から神様の使い

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自分よりもほんのちょっと早い、若いオージーの男性。
それまで、自分の前後を走るランナーはみな同じペースのため、ゆったりペース、かなり遅い。
そんな中を疾走するということは「遅刻してきたランナー?」かな。
「よし、ついていこう!」
ペースを上げた。上げるとラストしんどくなるのはわかっていたけど、ここで少しスピードアップしておかないとペースをつかめないと感じたからだ。

 

・下り坂。強力な応援団登場
(たぶんランナーのお友達かな)
とってもノリが良くて大騒ぎしていたので、ここはついでとハイタッチをお願い!そうしたら、快く受け入れてくれた。
ああ、本当にうれしいな。こんな応援。

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しかも、走っている最中のハイタッチの撮影ってうまくいかないのもの。
そこで、もういとどハイタッチをお願いいし、取り直したのがこの写真なんです。
しかも、「ハイタッチしてます」とわかるように、オーバーアクションしてくれた。
こういう楽しい、ただただ感謝になりますが、こんな体験はオーストラリアならではのスポーツイベントなんだろうね。


・シティーに戻る

行きに沿道の応援を見てきたハイドパークまで戻る。
再び仮設の橋を渡る。行きと同じく2人分の幅しかないので、渋滞が発生。
お、なんだか競っている感じだぞ。
この時間だと、もう市民も観光客も、ぼちぼち外出の時間なんでしょうか?

f:id:tanoshiiau:20181118202423j:plainかわいいオージーが、ハイタッチ(高さはロータッチ)でランナーをお出迎え。

力が湧いてくるよ。ありがとね!

 

ここで先ほどまで追いかけて追いつこうとしていた男性ペースメーカーが給水所に立ち寄り、休憩してしまった!あれれ。

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ペースメーカーがいなくなってしまい、どうしようかと思っていたところ、若いカップルを前方に発見
よし、これまた追いつこう。

この数キロ、だいぶペースを上げて走ってきたので、まわりにも飛ばして走るランナーが増えた。

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しかも、海から離れ、無風状態。シティーのビルの眺めも気持ちいい。

 

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カップルのおかげで25キロまでは無事に帰ってくることができました。ありがとう。
(と心の中でつぶやいた。)

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5キロ毎に飲める(ただです)エナジードリンク。手が震えている

ハイドパークを通り抜け、シドニーシティ内屈指の繁華街の1つ、マーティーンプレイスも抜け、更に平日はビジネス街でにぎわう(観光客にはあまりなじみがないかも)フィリップストリートを通過すると、最大の観光地サーキューラーキーの真裏の通り、アルフレッドストリートへ。このあたりは右左折が多いんだよね。

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そして、前日にランチし、店探しやショップの見学をした、ロックスへ

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日曜の朝11時頃なので、観光客もまばら。まばらな拍手も大変うれしいですよ~!
前方には、スタートした直後に渡ってきたハーバーブリッジが見えてきました。
グルっと一周してきたことを実感し、新たに次なる段階を迎えるのであった。

写真:2018年9月16日

シドニーマラソン体験を講演してきました。

今週は講演資料作成に、時間が掛かってしまい、ブログは少しお休み。

なんと、講演を依頼されて、「参加して楽しいイベント」感を伝えてきました。

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講演先は、地元市内にある国際交流協会

姉妹都市で訪問した方々の写真交換会で、既に私が講演することが先に伝わっていたらしい。

それでも、最後には、「マラソンに参加してみようかなあ」

と言ってくれたおじいさん。うれしかったよ!

また、講演して、もっと楽しいオーストラリアを伝えることが出来たらうれしい限りです。

 

シドニーマラソンの取説 公園は東京ドームの数十倍

オーストラリア最大の都市シドニーの、その中でもシティーと呼ばれる中心地。
こんなところに、「東京ドームの47倍の広さを持つ公園」があるだけで、オーストラリアが広大で自然豊かな国であることを気づかせてくれます。

(近隣のムーアパークなども入れると軽く50倍を超える規模)
それも、公園内だけで、右左折をしながら10キロを駆け巡る。
およそフルマラソンの1/4を公園内をぐるぐる。森林浴気分で走れるかな。

 

・整備された遊歩道

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この日は自動車全面通行止めだったこともありますが、車道も広い!
そして、歩道も広い!

・乗馬コースもある

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早朝、まだ始まってませんが、なんと乗馬コースがあります。
日本だと都心からはるか離れた郊外にクルマで1時間以上かけないと乗馬クラブまでいけませんが(行ったことないけど)、ここでは市民がバスで公園に乗りつけば10分程度でついてしまう。
それも、自然と都市が一体となっているからできること
在住の日本人も結構利用されているそうで(ビジネスマンでもオーストラリアでは時間が取れる?)。
というそれなりに大きい乗馬コースを横目に。
と、写真を撮っているうちに、腰に付けたバックに入れていたバンドエイド4枚が風にあおれて飛んでしまった!
ゴミになってはいけないと走り回って拾っているうちに、数分ロスしてしまった!

 

・キロ表示
シドニーラソンのコースでは、1キロ毎に表示盤が出ています。

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これは便利。だいたいどれくらいで走っているのか、すぐにわかります。

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それに2.5キロ毎に水のみの提供、5キロ毎に水、スポーツドリンク。

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そしてエイドステーションという、ちょっとした救急箱代わりになるものが置かれています。例えば、バンドエイド、ワセリンとか。

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保健師みたいな人も待機してくれているので、とっても安心。
公園内は、ちょうど、10キロ、15キロ、20キロを通過するので、3か所、何度か同じポイントを往復するので、6回通過することになります。

 

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・意外に変化のある公園
整備されている公園だから、ずっと平地だと思っていたら、違った!
半分を過ぎた16キロ当たりに、短いが傾斜のある上り坂が待ってました!
既に、ハーバーブリッジ、フリンダースストリート、センテニアルパーク内と3回も坂を駆け上がってきたからかまだ半分も過ぎてないのに、足に疲れが溜まってきた感じ。

まあ、完走しようとするから大変なわけで、最悪歩けなかったらリタイアすれば良いわけだし。
と気楽に考えたら少し足が軽くなった気がする。

公園内は、先ほどの乗馬コース以外にも、バーベキュー、バードウオッチング、もちろん軽食を食べられる簡単なサービスもいくつもあります。気楽に過ごせる、いい場所だ。

広い公園内にはまばらに、いろんな人がいる。
芝生に座って、こちらに手を振る地元のファミリー。
全く意に変えさず、自分たちのペースで犬を散歩させる老夫婦。
友人たちとぺちゃくちゃおしゃべりしながらベビーカーを押すママさん。
そういえば、沿道にはロープも一切貼ってない。
警備員も、ボランティアスタッフも見当たらない。

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市民が公園内を自由に「マラソンコースを横断する」。
ラソン大会そのものが市民の憩いの場を「お借り」しているんですからね。
そんな当たり前なことも気づかせてくれたセンテニアルパークとも間もなくお別れ。

さ、シティに戻るぞ!

 

 写真:2018年9月16日