オーストラリアに来ると、当然ですがオーストラリアの人に接することが格段に増えます(当たり前か)。
彼らが大事にしていること、たくさんありますが、それはプライベートの時間の確保をしたいこと。それを知っているか知らないかにより、我々日本人の相手への思いやり、心遣いが随分と違ってきます。
例えば、こんなことがありました。
ケアンズ郊外の、アサートン高原の途中に、野生のカモノハシが見れるという触れ込みの湖があります。
どうもここは私有地らしく、カモノハシを飼っているわけではないと思います。
ですが、カモノハシと、湖に生息する魚の魚釣りとバーベキューを宣伝文句にして観光客を「釣ってました」。
いいのか、こんな商売の方法で!
それはともかく、そのあとが「これがオーストラリアの私生活を優先する考えなのか!」
を目の当たりを経験してしまいました。
この日、どうしてもカモノハシ見学をしたかった我々一行でしたが、レンタカーで初めての土地柄で、道を何度も間違えた末にようやくたどり着いた、カモノハシウオッチポイント。
それまで他の観光ポイントを回っていたので、たどり着いたのが既に15時半を回っていました。
現地所有者と思われる、オーナーおじさんが出てきて、ツアー(自由行動してきた私たちは全く興味無し)や、カモノハシの見学ポイントなど一通り説明頂きましたが、こちらの見学は16時で営業終了とのこと。
ここまで来たし、あと30分でも結構なので、これから申し込みたいことをお願い。
するとあっさりとOK 出してくれるし、しかも時間も短いから、入園料が既定の半額としてくれた。いい人じゃないの、おじさん。
ただし、条件があった。難しい話ではないけど、多分日本じゃ全くあり得ないことだと思います。
「16時過ぎたら俺たち先に帰るから。公道から私有地に入る道路のところに、クルマが入って来ないよう、チェーンをしてから帰ってくれないか!」
え、初対面の私たちが戸締りですか?いいんですか、私たちに任せて!
とあっけにとられて、(取られてなくても英語だから言葉が瞬時に出て来ない)茫然自失、ですが、なんとかなりそうとその時とっさに思ったために、OKをしてしまいました。
なんともものすごいなあ、と感心してしまいましたが、よーく考えてみると、彼らが一番大事にしていることはプライベートの時間。
16時以降に何の約束があったのか知りませんが、私たち観光がいつ終わるかを見届けるかよりも、プライベートな時間を優先させたと考えれば合点が行きます。
(それで何か問題が起きたとしても、きっと後でなんとかしようと思うんでしょうね)
一方、これが日本だと、「やれ見も知らない人が何をするかわからないから、終わりまでいるのが仕事だ」とばかり、プライベートよりも仕事を優先させることでしょう。
そこで、もし何かあれば、たちどころに責任を問われますから。
ある意味羨ましいオーストラリア人の心がけ。
時間を作るにはどうすればいいのか、とっても貴重な経験をさせてもらいました。
出来り口を「封鎖」する日本人。
おかげでいい絵が撮れました!(^^)!
写真:2013年8月