今世界中でプラスチックゴミの見直しが始まっています。
日本ではわかりやすいところで、コンビニやスーパーでもらえたビニール袋が有料となりました。これだけでもだいぶ利用するお客が減ったとのことです。
なにもしないよりは何かしたほうがいいことなので、この行動自体は大賛成です。
しかし、これをもって「まあ、これだけやったから、まずはいいかな」と興味を失ったり、ゴミ問題対策は「わが家は終了」としてはなりません。
世界中、いや地球上のゴミ問題は思ったよりも進行しており、且つ深刻です。
もっと早いペースで対策を進めなければ、いずれ地球の持つ「自然治癒力」時間がたてばすべて分解してくれる、なんてことは一切なくなってしまうでしょう。
現状、世界のゴミ問題は至るところで見れますが、自然豊かなオーストラリアも例外ではありません。
特に海を浮遊するプラスチックゴミ、なんせ腐ることがないので、くさるほど浮いています。
それを多くの動物が飲み込んでしまっていることも皆さんご存知でしょう。
イルカ、クジラ、海鳥などのおなかからビニールゴミが出てくるのももちろん、魚の体内からもビニールの成分が見つかったり。
そして、最近言われているのがプラスチックの非常に細かい大きさの粒「マイクロプラスチック」の問題です。
海は広く、手つかずの生物が膨大にあるため、研究はまだ始まったばかりと思いますが、それでもNGOグリーンピースの調査から、50頭の動物のおなかに、マイクロプラスチックが見つかっているのがわかっています。
そして、今回、オーストラリアの海の生物でも有名なウミガメに登場してもらいます。
なんと、カメは世界中で30種類とかそれ以上いるらしいですが、そのうちの7-8割がオーストラリアの周辺に住んでいたり、現れたりしているそうです。
そして、このカメたちもプラスチックの被害をたくさん受けています。
マイクロプラスチックの最大規模の被害者です。
どういうことでしょうか?
実は、カメ(といっても特定の種類かもしれませんが)はマイクロプラスチックゴミを食べてしまうことによって、ある特殊な問題が発生しています。
それは、マイクロプラスチックを身体に取り入れることにより、身体が浮いてしまい、海底にある海カメたちの餌が食べられなくなってしまうそうです。
潜れなくなってしまうと、もう漂流するしかありません。
それはウミガメにとっては餓死を意味することになります。
こんな悲劇があるでしょうか?
マイクロプラスチックは陸上でも誰かに指摘されないと見えないほど小さいものですし(最大5㎜の大きさ)海に入ってしまえば見えなくなってしまいます。
それが世界中の海に流れ込んでしまっているとなると、考えるだけでも恐ろしくなってきます(だからこそ調査が必要なんです)。
ビニールゴミや大きなプラスチックゴミのように回収することはできないの?
と私自身も思ってしまいますが、人間が普通に生活していれば必ず出る洗顔料・ボディソープ・歯磨き粉などに使われるスクラブ剤にも使われていますし、ファーストファッションで買った洋服にも、洗剤で洗うとマイクロプラスチックが出てくるらしく、もはや家庭から出る排水がそもそもマイクロプラスチック発生源になっています。
普通の暮らしをやめられますか?
と言われれば、誰だってやめられないでしょう。
それほど、根の深い問題です。
オーストラリアのビーチリゾートに行くと、高い確率でウミガメに出くわすことがあると思います。
そんなウミガメたちも、なんとか今の世界を生き抜いているんだということを思いにはせてくれたら、今回に関してはうれしい限りです。