自分が出場した種目・ハーフマラソンを終え、シティの宿に戻るためには、まだ競技中のフルマラソンコースのゴールゲート脇を通ることになる。
時計に目をやると12時。今ゴールをしているランナーたちは7時スタートしているので、ちょうど5時間になろうとしている。
今自分が走ってきた時間の倍。ひゃー、考えられない。
恐らく自分だったら途中で力尽きてギブアップしているかな?
(そもそもフルマラソンを選択していないので、余計な心配ですね)
それでも、なんとか5時間以上かけてゴールにたどり着こうとしているランナーって、いったいどんな人達なんだろうか。しばし見学。
写真は、カップルか連れ合いか、ゴールで待っていて、正に抱き合ってゴールを祝福しようとしている瞬間。
いいなあ、とつぶやいていた。
写真が遠いですが。
幼児を肩車してまもなくゴールの青いランニングシャツを着たパパ。
真横にはちょっと大きめの子供が伴走。
ゴールゲートをくぐった瞬間、ひときわ大きな拍手喝采。
もちろん、自分も拍手を送っていた。
足をつったのか、びっこで足を引きずるようにして歩く、どう見ても70歳を超えたようなおじいちゃんランナー。
フラフラとまっすぐ歩いてない、今にも止まりそうなランナー。
両ひざ、足首、ふくらはぎなど、身体中テーピングぐるぐる巻きにして痛そうに走る女性ランナー。
もう足が一歩も前に出ないのか、その場で立ち尽くすアジア人ランナー。
少なくなったとはいえ、沿道からは途切れることなく声援が飛び交う。
「グッドジョブ!」
「パーフェクト!」
自分も一緒になって、沿道から叫んでいた。
いいなあ、この雰囲気。
自分はお世話にならずに済んだ救急車。
今回のメルボルンマラソンのために何台かき集めたんだろうか。
緊急搬送の場面には出くわさなかったのが何よりもの救い。
シティーの中心から約5、6分のところ。
マラソンを終えて、これからシティーに戻る人達と、あとゴールまで1キロを目指すランナーたち(よく見ると全員歩いていますね)。
でも、みな何とかゴールにたどり着こうとしている。
きっと、この大会に参加するまで、それぞれ想いの想いがあったはずです。
(うーん、わかる。自分だってそうだからね)
陽も高くなり、日向と日陰の差がくっきりと浮かび上がっている。
気温が高くなった証拠。相当暑い。
そりゃ、40キロも走って来たんだから、疲れるのも当たり前です。
本当にグッドジョブです。
そういえば、自然と他人の苦労に共感してました。
東京では、同僚と一緒に仕事して、成功したら共感してあげているだろうか?
グッドジョブ(いい仕事したね)と思ってあげているだろうか?
そんな風に思ったことなんて、多分ないよなあ。
それを、日々の普通の環境で、自然に赤の他人にエールを送るこの雰囲気。
それもいいなあ、と。
今回はたまたまマラソンという環境の中での話ですが、過去(数年前)にも訪れたオーストラリアのシティでも、大したことしてなくても「グッドジョブ」と言っている風景に出くわしたこともありました。
こんなお国柄が素敵だったりする。オーストラリアが好きな理由の1つです。
それを10倍感じたのが今回のメルボルンマラソンのイベント参加でした。
ああ、どこまでも今日は空が青いです!