それは楽勝なリゾートアイランドツアーのはずだった。
個人でチケットを購入したので、本当はツアーではないのだが、アイランド宿泊はフェリーとセットでの販売となるため、実質ツアーとなってしまいました。
オーストラリアでリゾートアイランドというと、まずはグレートバリアリーフを思い浮かべるでしょう。
しかも、ケアンズからだと最短距離の島、グリーン島までだと約50分。
超近い距離にリゾート地。なんだ楽勝じゃないか。
拍子抜けするくらいだ。
出発前まではそう思ってましたが、天気はそんな思いも吹っ飛ばしてしまいました。
これがグリーン島までつれて行ってくれる、グレートアドベンチャー。
ツアー会社の名前のようです。
見た目以上に大きく見えたので、多少の揺れが大丈夫でしょう、と思えますよね。
チェックインが始まったので、早速船内へ。
スーツケースも事前に預けたので、身軽です。
さあ、いざグリーン島へ。
自由席のため、席を確保するのに苦労しました。
全員座れて安心したところで、ハイチーズ。出航5分後は、まだ湾から出てないので、揺れは全くなし。この時は全くの余裕です。
船内のドリンクコーナー。
他のお客さんもまだまだ余裕ですね。
確かアルコールもあったかな?
10分後には外洋に出た感じ。
とにかく揺れ出したので、「海に出たんだ」くらいの感覚でした。
子どもたちも左右、前後の揺れにきゃっきゃとはしゃいでいる程度。
ところが、有るときに「ばしゃん」という波音が
「ばきっ」という、何か固いものに当たったんじゃないのか!というほどの衝撃を受けてから、船内は変わりました。揺れが激しく、おとなでもまともに立っていられない。
波って、当たると固いんですね。水の力ってこういうことなんだろう。
「当たって砕けろ」とは良く言ったもので、当たったら本当に砕けるのが大自然の波なのかもしれません。
感心している余裕は実は全くなく、この先30分は「延々に続くんじゃないのか」と思えるばかりに激しい揺れが間断なく続きました。
子どもたちも完全にグロッキー。
他のお客さんも、「今朝空港について、そのままグリーン島に向います」と言っていたツアー客は寝不足なんだろう。我が子どもたちよりも先にグロッキーに。
船内の半分は動きが完全になくなりました。
そしてアナウンス「当フェリーはまもなく島に到着します」とかなんとか言ったと思いますが、そんなことどうでもいいから早く降りたい。と皆が願っていたはずです。
アナウンス5分後には無事グリーン島のフェリー乗り場に到着。
写真は、フェリーが全部行ってしまい、グリーン島に残った宿泊客たち。
なんか、波が静かじゃない?
これは到着後だいぶあとの写真です。余裕のある時にシャッター。
だって、フェリーが到着したときのこの桟橋は強風と高波により激しい揺れと風にあおられ、とてもデジカメで写真を撮っているほどの余裕はありませんでした。
乗客の中には、フェリーを降りてすぐ帽子やマフラー、タオルを飛ばされている光景をたくさん見ました。
デジカメも吹っ飛ばされていたかもしれません。
さて、グレートバリアリーフに浮かぶリゾートアイランドに行くにはフェリーでこんなにつらい経験をしなければならないのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
我々がグリーン島に渡った時は、特に天候が悪化していた数日間だったようです。
地元の人曰く、「特にひどかった」そうです。
日中穏やかな日であれば、グリーン島往復のフェリーもそれほど揺れることなく海上を十分にくつろことができるそうです。
ああ、最初で最後かもしれない、最大のリゾート旅行が悪天候ですっ飛んでしまいました。
こんな体験は普通にはできない、いい思い出になった。
と思うことにしよう!
時期:2013年7月